こんにちは、ikki(@motto_stylish)です。
競技者全員に対してフェアであるべきスポーツルールでよく言われる、何故か日本人が不利になるようにルールが変わっていく、という議論がありますね。
今回は、トランポリン競技の選手の体格は、大柄なほうが良いのか・小柄なほうが良いのかという話です。欧米に比べてどうしても小柄な日本人が有利なのか不利なのかの議論ですね。
結論としては、、、出せませんでした。物理が得意な方、連絡お待ちしております!
ルール全体としては、こちらにまとめています。
今回は、上の記事にある「跳躍時間点(T得点・Time of FlightのT)」という得点に着目します。
コレはつまり、10技の開始から終了まで、跳んでいる時間が長いほど点数が上がります。(リニアもリニア、1秒で1点という換算。例えば10技やるのに10秒間ジャンプを続けていると10点がもらえるという計算です。)
器械体操って、倒立とか跳馬とか大車輪とか、高校の物理で紐解くと意外とシンプルで面白い世界が広がっています。
(この章は、ちょっと小難しい知識も必要だと思われます。が、あなたがもし理系の高校生ならば、全部理解できる内容なはず!また、もしこの考察が間違いがあるか指摘できる方がいれば、ぜひ指摘ください。)
今回は、それをトランポリンに広げてみましょう。トランポリンの運動を回転抜きにして単純な上下動と考えます。
さらに、トランポリンのベッドに接触している時は、バネの反発を受けるので「バネによる単振動」という運動を考えます。
トランポリンを離れて空中にいる間は、「鉛直投げ上げ」(そして自由落下)という運動を考えます。
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トランポリンに接触している時の運動で、大事な公式がいろいろありますが、今回の考察で使用する公式としてこれを使いましょう。
理系の高校生の皆さん、わかりますか?覚えていますか?バネで単振動が起こる場合の、振動周期の式ですね。
振動周期(時間)Tは、質量mとバネ定数kで表され、バネが強い(バネ定数kが大きい)と振動周期が短くなる(振動が速くなる)。
で、質量mが大きいと振動周期が長くなる(振動が遅くなる)。
直感的にも、mが大きい方が振幅が大きくなって、より長い距離を移動する必要がありますもんね。
ということで、ここに関しては体格が良くて体重が重いほうが有利だと結論づけられますが、確かこれはルール上、すでに適切に処置されていたと思います。
要は、トランポリンに接触している間は時間を測らずに、空中にいる間だけの時間を測定していると思われます。
考察しますが、少し端折りたいと思います。重力加速度gが一定なので、高く跳べばその分、長い時間跳べるのは自明ですよね(そもそも、跳躍の高さを時間で換算しているわけですし)。
シンプルに考えてると、次の2つのエネルギーが保存されると考えます。
つまり、式に直すとこういうことですね。
aはバネ(トランポリン)をどれだけ縮めたか、です。バネを伸ばしたり縮めたりするとエネルギーが必要ですよね。
このエネルギーが、損失なく全て位置エネルギーmghに換算された場合に上の式が成り立つのですが、右辺には体重mが出てきています。
この辺りが議論のポイントなのですが、一見、体重mが重い方が高さが出ないので不利か、と見えますね。
でも、体重が重い方がバネの伸びaが大きくなるとも言えますので、aのパラメータとしてmが使われるということ。
例えば選手が跳ばずに、トランポリンと体重が釣り合っている状態では、次の力が釣り合っています。
Aは釣り合った状態でのバネの伸びですが、上のaとは異なる点に注意。(aは跳躍する振動の最大振幅)
ということで、ちょっと考察してみたにしては、モヤモヤが残る結果となってしまいますね。
直感的にはmが大きい方が高く跳べる気がするのですが。なんせ、バネの弾性エネルギーでは二乗の項がありますからね。
ちょっと深みにハマりそうなので今回は避けますが、ネタとしては垂直投げ上げの初速度を考えてみるとかです。
鉛直に投げ上げる時、時刻tでの速度vは、初速度v0に対してtが進むにつれて減っていきます。
跳躍の最高点では、v=0なので、初速度がわかればtが分かる、と。上に跳ぶのと下に落ちるのでは同じ時間と考えて良いので初速によるということですが、振動と合わせるとどうなんだろう???
どこかの先生!議論してくれませんか?
ということで、バネによる単振動を考えると、体格が良く体重が大きい選手の方がトランポリンの「跳躍時間点」が稼げて有利かと思いましたがここはルール上は適切に処置されているはずです。
体重が重い方がバネをより伸ばせるのですが、高く上がるのにもエネルギーが必要なので、点数的にどれだけ効いてくるかはちょっとバシッとした結論まで至りませんでした。
直感的には、重い方が有利な気がしますが。
おいてきぼりの方、ごめんなさい。
次回に続く、かも知れません。