いよいよ始まった東京五輪。
普段は体操のテレビ・YouTube配信なんかは見ないけど、オリンピックとなればテレビで目にする方も増えたかと思います。
久しぶりに体操の大会を見てみると、各種目で流行り廃りがある中で鉄棒でも見慣れない技が。。。
そんなあなたに、今回は鉄棒のあの技について調べてみようと思います。
関連記事>>>【体操男子】鉄棒の大技「ブレットシュナイダー」て何?からの「ミヤチ」の話
もくじ
少し前だと、開脚のトカチェフ・屈伸のトカチェフ・伸身のトカチェフなどを連続でやったりして、高難度な技の連続技で加点を狙ったりしてた気がします。
でも、最近だと少しでも難易度の高い技を実施して、Dスコア(技の難しさで点数を増やす)を上げるのが流行っているようですね。
そんな中でも、東京五輪時点での体操のルール(技の難度)で、「お得だ!」と思う選手が多いのがこのトカチェフひねりですかね。
その名も、「リンチ」や「モズニク」という名前の技です。
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開脚のトカチェフで鉄棒から手を離した後、身体を半分だけ捻って後ろ向きで鉄棒をキャッチする技がリンチという技です。
開脚のトカチェフでC難度で、これを半分捻るとD難度となります。
コバチやコールマンなどと違い、クルクルと回らないので派手さはないですがその分、落下の危険性が少ない安全めな技として定評のあったトカチェフですが、少しの違いでD難度になり点数が稼ぎやすい技になったのですかね。
東京オリンピックでもかなりの選手が実施してた気がしました。
上とかなり似てますが、伸身のトカチェフで鉄棒から手を離した後、身体を半分だけ捻って後ろ向きで鉄棒をキャッチするとモズニクという技になります。
開脚トカチェフがC難度で、伸身になった時点でD難度、さらにこれを半分捻るとE難度となります。
こちらの動画で、伸身トカチェフとリンチが見られます(モズニクは13:20〜 です)。
モズニクからさらに半分多くひねると、リューキンという技になります。
難度がさらに上がってE難度!
ただし、この技を実施する選手は2021年現在、あんまりいない感じでした。
こっちの技は、ひねり方向で難しくしたのではなく、回転方向で難度を上げています。
開脚のトカチェフを行う間に、前方に1回多く宙返りしています。
といっても、名前の「フジマキ」は正式名称ではなく、現在はまだ名前もついていないのですね。
というのもこの技、「ガンバ! Fly high」という漫画で出てきた技で、まだこの現実世界の体操の大会では成功した人がいない伝説の技みたいな感じなのです。
それはそれですごい!
その漫画が気になる方は、こちらです。
最近の体操競技では、かつての「10点満点」が廃止されているので、難しい技をやればやるほど最大の点数が上がります。
頑張ったら頑張っただけ、100点満点の上限があがって120点取れる、みたいな感じです。
ただし、Eスコアと呼ばれる、各種目で一連の技の流れのキレイさの点数があり、ミスや汚い実施を重ねていくとどんどん減点されます。
こちらは10点満点です。
実際にはDスコアとEスコアを合算した数値が演技の点数となります。
Dスコアが加点方式、Eスコアが減点方式。
とはいえ、オリンピックや世界大会に出られるほどの体操選手は、Eスコアではあまり差がつかないと思っていて良いです。
なので、各選手が難しい技にチャレンジして、Dスコアをどんどん上げようとしてるんですね。
体操のルールでこの技はこの難度、というのが決まってるんですが、同じD難度といっても全く同じ難しさとは言い切れないので、やはりやってお得な技(簡単な割りに点数が高い)の方が、より多くの人が実施するようになるんですよね。
関連記事>>>【体操男子】6つの”シライ”で振り返る ひねり王子 白井健三選手の凄い技
体操の技の名前は、その技を実施した(有名な大会で成功させた)選手の名前がついているものがあります。
で、今回のトカチェフについては、ロシア(ソビエト連邦)のアレクサンドル・トカチェフ選手の名前です。
選手についての詳しい情報はこちら。
トカチェフを使わずにトカチェフを表現すると「懸垂前振り開脚背面とび越し懸垂」です!
ということで、最近よくみる男子体操の鉄棒の技、トカチェフやリンチ・モズニクについて書いてきました。
時代が経るにつれて、人気の技が変わっていくのも何だか面白いですよね。
漫画から体操の世界に興味を持った人にとっては、漫画の中でしか見られなかった技が実際に実現される日が楽しみ過ぎると思います。
カメハメ波が撃てる!くらいの衝撃ですよ、ほんとに。