2018年現在、器械体操の競技で最高クラスの難しさの技に「ブレットシュナイダー」というものがあります。
思わず、声に出して読みたい器械体操の技だと思ってしまいました。
単にドイツ人のブレットシュナイダーさんの名前なんですが、必殺技みたいでめちゃくちゃカッコ良くないですか???
「生きているうちに一度はブレットシュナイダーしてみたい!」と一瞬思いましたが、まぁそれは無理ゲーです。
今回は、「ブレットシュナイダー」についてと、さらにその上を行く日本の体操選手「宮地秀享」選手の話題です。
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もくじ
ブレットシュナイダーという技名は、器械体操の男子6種目の中で、「鉄棒」の技で、まずは体操関係者が分かる言葉で簡単にいうと「コバチ2回ひねり」な訳ですが、あの「コールマン」にもう1回のひねりを加えたものですね。
で、ごめんなさい、体操に詳しくない方には全然説明になっていないですね。
順を追って説明していきます〜。
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「ブレットシュナイダー」は鉄棒の技で、「手放し技」に分類される技です。手放し技は、体操選手が大車輪を回して勢いをつけて、一度鉄棒から離れて、もう一度鉄棒を掴みに行く大技です。
鉄棒が体操の華型と言われる所以かもしれません。
で、「ブレットシュナイダー」、そして「ミヤチ」を語る上で、まずは基礎となる2つの技から紹介していきます。
「コバチ」と「コールマン」ですね。
一体、「ブレットシュナイダー」って何なんでしょう?
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抱え込むとD難度で、伸身で行うと難度が1つ上がってE難度となります。実況でも「伸身のコバチ」ってよく聞く気がします。シンプルでカッコ良い!
リズム的には、「くるくるっ パッ!」って感じですかね。
ただ、ちょっと前の時代であれば大技だったのですが、今の体操界では基本技に成り下がっているかもしれません。でも、基本って大事です!!
下で紹介する技と比べると基本技のコバチですが、やはり高さがあると観客を魅了します。
下のコールマンと続いているので、動画はそちらにまとめました。
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上に登場したコバチに対して1回ひねりを加えた技がコールマンです。つまり「コバチ1回ひねり」のこと。
コバチ1回ひねりを抱え込んで実施すると「コールマン」で、これがE難度。伸身で行うと、難度が2つ上がってG難度の「カッシーナ」となります。この場合、カッシーナは「伸身コールマン」と呼ばれることもあります。
動画はこちら。鉄棒が好きな方は最初から見ても面白いです。
伸身コバチからコールマンの流れです。1回ひねっているのが分かりますか〜?
ちなみに、「コールマン」はキャンプ用品のブランドではありません。もちろん、ボディビルダーのロニー・コールマンとも別の方ですよ!
上からさらに進化して、コールマンにもう1回ひねりを加えた技が、「ブレットシュナイダー」です。つまり、「コバチ2回ひねり」です。
抱え込んだ姿勢で実施すると「ブレットシュナイダー」で、これでH難度。カッシーナ(伸身コバチ1回ひねり)よりさらに1つ上の難度ですね。
さらにそれを伸身姿勢でやると、前代未聞のI難度の「ミヤチ」となります。これを、日本人の宮地秀享選手がやってくれました!
I(アイ)難度ですよ!一番簡単なA難度から数え始めて、9個目の難しさ!!宮地選手の栄誉は今後、数十年に渡って語られることでしょう。
動画はこちらです。元は上と同じですが、最後までどうぞ〜!
いやー、めちゃくちゃ凄い技ですよね!
大車輪中に思い切り反動をつけて鉄棒の上に飛び上がり、宙返りをする間に2回も捻って、また鉄棒をキャッチするんですよ!
「あっ!」とか言って、飛び出る方向を間違えたら鉄棒を掴めません。
捻ったり回転したりするタイミングがちょっとでもズレたら、鉄棒に頭をぶつけてしまうことだってあり得ます。
そんな技を、例えばオリンピックのメダルが掛かった大事な最終種目で実施したりするわけなので、緊張感も凄いんでしょうね。
それをささっとやってのける体操選手は本当に凄すぎます。
あ、ワタシ?大車輪はできますが、コバチとかハイレベルな技なんて全くできませんよ。それでも器械体操って楽しいです。
関連記事>>>【図解トランポリン】初心者のワタシはどんな技を練習すれば良いの?【基礎トレ・反復】
宮地選手のミヤチには、スーパースロー映像もありました。
スーパースローの『ミヤチ』#宮地秀享 選手#世界最高I難度#体操#体操競技#鉄棒#アスリートの魂 pic.twitter.com/932PlKe4Mb
— Shimi-GymFan_JPN【しみ】 (@pipinoko168) June 15, 2018
カッコ内で、抱え込み姿勢 → 伸身姿勢 を表すと、次のようになります。整理すると、スッキリ見えて覚えられそうですね!
そんな技を、極度の緊張感のなかで行なっている体操選手って凄いって話と、日本の選手が世界最高難度の技を使っているということで、2020年の東京五輪も楽しみです、って話です。
これは、ひねりの回数ですね。
鉄棒から離れてクルクルっと回って再度、鉄棒を掴みますが、その間に1回捻るか2回捻るかの差があります。
これは、身体の姿勢ですね。
鉄棒から離れてクルクルっと回りながら2回捻るのですが、抱え込みで(膝や腰を曲げながら)やるか、伸身で(膝も腰も曲げずに)やるかの違いがあります。
ご存知かもしれませんが器械体操の世界って、他の人がやったことのない新しい技を試合で成功させると、成功させた人の名前がつくんです。
白井健三選手も、床や跳馬が強いので、「シライ」と名のつく技をたくさん持っていたりします。というか、世界最多の6技があるんですね。床で3つ、跳馬で3つです。
何気に今の日本体操界って熱い話題が多いです。これは、2020年の東京五輪が今から楽しみですね!